

2008-47『クライマーズ・ハイ/CLIMBER'S HIGH』(更新:2008/06/27)



評価:★★★★★
1985年8月12日
御巣鷹山に日航機墜落、死者520名−。
走り、叫び、書いた。
新聞記者たちの激動の一週間。
九ちゃんこと、坂本九もこの事故で亡くなってから早23年。
決して忘れてはいけない「命を追った、あの夏」
原作は横山秀夫の同名小説である。
本人のエピソードは佐山達哉(堺雅人)の最初の御巣鷹山取材とのこと。
実際には道に迷って原稿を寄稿出来ずに落としてしまった。(締め切りに間に合わなかった。)
それから、「クライマーズ・ハイ」とは登山時に興奮状態が極限まで達し、高さへの恐怖感が麻痺してしまう状態のことである。
冒頭の事故が判ってからの編集局の騒々しさ。
台詞が乱れ飛ぶが、緊張感もそのまま感じられた。
今回の撮影は「ハリウッド方式」というシーンごとの撮影で日本でのカットごとの撮影ではなかった。
台詞を忘れてもカットせず撮り続ける事で撮り直しの時間を短縮したり役者が段取りに気持ちが行って演技に身が入らないことを排除しようと試みたことでより真実味が増した。
だいたいの台詞は聞こえたが編集局での騒然とした中でのやり取りの台詞はTV放送の声や速報のアナウンスなどで入り乱れる。
後半の悠木和雅(堤真一)がロッククライミングで手を滑らせた時の回想シーンでは、安西燐太郎(小澤征悦)が呼び掛ける声とオーバーラップしていたかな。
熱い思いが交錯する中で、北関東新聞の社長・白河頼三(山崎努)のワンマンぶりが読○新聞のナベツネを彷彿させたのは云うまでもないか。
2時間25分の時間があっというまだった。
それから、途中に悠木と安西燐太郎がロッククライミングしているシーンがないと気が休まらなかった。
サイドストーリーとして悠木が息子のジュンとの確執を創ってしまったことへの反省でラストシーンに繋がるところも気持ちを落ち着けるのに必要でしたよ。
それにしても、新聞社って我々(IT)の業界よりハードでヤクザな仕事だなと思ったぞ。
・・・あとは映画館でご鑑賞ください。
近々『告発のとき』『スピード・レーサー』『カメレオン』を観たいです。




『クライマーズ・ハイ (2008)』作品情報
■作品情報詳細
日航機墜落事故を追った新聞記者たちの、壮絶な1週間
■映画データ
カテゴリ 【スリラー/サスペンス】【ドラマ】
製作年 2008年
製作国 日本
時間 145分
公式サイト http://climbershigh.gyao.jp/
公開日 2008-07-05〜
配給 東映、ギャガ・コミュニケーションズ
系列 丸の内TOEI1ほか全国にて
公開時コピー 命を追った、あの夏。
■ストーリー
1985年8月12日、群馬県御巣鷹山にJAL123便が墜落、死者520人の大惨事が起こった。前橋にある北関東新聞社では、白河社長の鶴の一声により、一匹狼の遊軍記者・悠木和雅が全権デスクに任命される。そして未曽有の大事故を報道する紙面作り―闘いの日々が幕を開けた。さっそく悠木は県警キャップの佐山らを事故現場へ向かわせる。そんな時、販売部の同僚で無二の親友・安西がクモ膜下出血で倒れたとの知らせが届く…。
事故当時、地元紙の社会部記者として取材に奔走した経験を持つ作家・横山秀夫(「半落ち」など)が、17年の時をかけて書き上げた同名小説を映画化。確固たる信念を持ち、冷静沈着に、時に激昂しながら報道人としての使命感で任務を遂行していく主人公を堤真一が好演、脇を固める俳優たちの報道人“なりきり”ぶりも注目だ。混乱する現場、苛立ちから感情を昂らせる記者とその上司たち、そして加熱する報道合戦を臨場感あふれる映像で一気に見せる。登場人物の緊張や感情の機微をスリリングに描き出したのは、『突入せよ!「あさま山荘」事件』の原田眞人監督。セリフのぶつかり合い、めまぐるしいカット割―原田監督持ち前の集団シーンは見もの。
■スタッフ・キャスト
監督 原田眞人
原作者 横山秀夫
脚本 加藤正人
成島出
原田眞人
出演 堤真一 :悠木和雅(日航機事故全権デスク)
堺雅人 :佐山達哉(県警キャップ)
尾野真千子 :玉置千鶴子(地域報道班・部員)
高嶋政宏 :安西耿一郎(販売部)
山崎努 :白河頼三(社長)
遠藤憲一 :等々力庸平(社会部・部長)
田口トモロヲ :岸円治(政経部・デスク)
堀部圭亮 :田沢善吉(社会部・デスク)
マギー :吉井弁次郎(整理部・部員)
滝藤賢一 :神沢周作(地域報道班・部員)
皆川猿時 :伊藤康男(販売曲・局長)
でんでん :亀島正雄(整理部・部長)
中村育二 :粕谷隆明(編集局・局長)
螢雪次朗 :追村穣(編集局・次長)
野波麻帆 :元・社長秘書
西田尚美 :安西小百合(妻)
小澤征悦 :安西燐太郎(息子)
■関連記事
クライマーズ・ハイ
http://cinematoday.jp/movie/T0006053
『クライマーズ・ハイ』
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/21115/
クライマーズ・ハイ (2008)
http://www.eigaseikatu.com/title/21031/
*
あのめまぐるしいカット割が
緊迫な雰囲気を
リアルに描いているんでしょうね!
とても見応えある映画でした。
こんばんは
コメントありがとうございます。
見応えがありすぎてかなり疲れたかもしれません。
劇中の佐山記者が落とした記事を読み上げていたシーン、本人の横山さんの思いもあり、物凄く悔しかったというエピソードもありますね。
このことで小説を書き始めるらしい。
また、お越しくださいね。
そう言えば、坂本九さんも、この事故で
亡くなったんですよね。。。
私たちは新聞などで報道を見たり読んだりした
だけでしたが、携帯もない時代、現場の大変さは
まさに地獄だったでしょうね。
私にとっても、あっと言う間に過ぎた2時間25分でした。
見応えのある映画でした。
こんにちは
コメントありがとうございます。
坂本究さんをはじめ520人の犠牲者をだした事故の残した傷跡は大きかったですよね。
ラストでも云っていた様に圧力隔壁が原因だと言う訳ではないので原因は不明のままというところから、最後の全権キャップの判断が間違っていなかったのかもと思わせるところでもありました。
当時、無線機を使用していた時代ですね。
1985年9月にはショルダーフォンが出来ましたが・・・
あの新聞社では記事の寄稿は足でするもんだとか無線機など導入しないでいじめの様な仕打ちもありましたよね。
それでも、山の中で取材して帰ってきた佐山記者やカメラマンの頑張りが新聞を支えている。
熱い思いの映画でした。(^_^ゞ
また、お越しくださいね。
他紙に抜かれまいとワイシャツにネクタイ姿で現場の山へ登る記者。
ネタの大きさに嫉妬する古株集団の横やり。
締め切りを巡る販売部との攻防。
一瞬も気が抜けない記者たちの壮絶な姿を細かいカット割で臨場感満点に活写し、報道の存在意義や人命の尊さを観る者に問う、ベテラン監督・原田さんの手腕はさすがでした。
こんばんは。
TBはどうもうまく行っていないみたいですね。
凄くいい映画でした。
今年のベスト5に入れておきます。
原田監督だからこそみせる事ができた内容かもしれませんね。
また、お越し下さい。
映画見ました。
ボリュームたっぷりの原作を読んだ直後ということで、正直映画は期待してなかったんですが、なかなかいい映画でした。。。
原作のいいところをしっかり押さえつつ、映画ならでは演出も随所に盛り込む。なかなか見事でした。
それからハリウッド方式の撮影も見事だったと思います。大部屋のテンションがビシビシ伝わってきました。
こんにちは
ご覧になりましたか。
原作と映画でイメージが合わない事が多々ありますがいい出来だったということですね。
まぁ、あれだけのめり込めた映画はなかったです。
TB、ありがとうございましたm(__)m
男臭い映画でしたね! テンポも良いし、確かに長さは感じませんでした。
原作は未読なのですが、時間を見つけて原作も読んでみたい気がしました。 人物描写がもっと詳細に描かれていたりするかもしれませんので^^
コメントありがとうございます。
いい映画でしたね。
>人物描写がもっと詳細に描かれていたりするかもしれませんので^^
本当にそうかもしれません。
ちょっと、小説も読んでおかなきゃと思わせましたね。