


評価:★★★☆☆
2006年上映作品です。
当時、会社の友人からは、話は重いがミュージカル調、フォレストガンプ調を入れていて面白いですと聞いていたのでなんだか楽しい感じの映画かなと誤解していました。
確かに話は重たかったですね。
久しぶりに観ましたが、演出はディズニーの小鳥やお花畑などで飾っていて楽しげですが、内容は松子が落ちていく人生の縮図を描いているのです。
PG−12扱いですから子供と観るのはどうかとも思いますが、実際、見ても影響なく楽しめるとは思います。
しかし、観る人によって影響があるかな。
映画の冒頭では、松子の甥っ子にあたるダメダメ男の生活態度から話が始まり、バックのテレビニュースで荒川の河川敷で死体が発見される話が放送される。
甥っ子にしてみれば普段の他愛のないニュースのひとつの筈だろうし、まったく興味も持っていない感じですね。
しかし、その死体が川尻松子ということで、福岡から甥っ子の父親(川尻松子の兄)が上京する。
父親(松子の兄)は死体の受け取り、荼毘にふし持ち帰る訳だが、部屋の後始末は甥っ子に頼むんだ。
後始末しながら色々と見つけたり追われたりして話が進んでいくのです。
微妙ではありましたが、劇団ひとりが不倫サラリーマンの役で出ているのがちょっと笑えたかな。
あの時の「Happy Wednesday」が妙なテンションではありましたが、松子の幸せの絶頂期が伺える歌でしたね。
話はちょっとずれますが、主役の中谷美紀が公表していることで、五輪真弓の「恋人よ」を歌ったシーンの後に失踪したという逸話も残っています。
中島監督とはかなり、やりあったようですが、スタッフ含めて3日くらい徹夜の後だったらしいです。


その時の話として、中島監督もスタッフたちと「これで、映画制作が辞められる。中谷美紀が失踪したことを口実に・・・」と思ったそうですが、翌日に戻ってきたのでがっかりしたのも本音だったのかも。(笑)
でも、監督は中谷美紀を日本一の美人女優ですからと持ち上げていましたが、次回作を何か考えているんだろうか?
※中谷本人は二度と一緒にやらないかもしれないけど・・・

昭和22年。
福岡県でひとりの女の子が誕生した。
お姫様のような人生を夢見る彼女の名は川尻松子。
教師になり爽やかな同僚とイイ感じになるも、セクハラ教師のせいで辞職に追いやられる。
ここから、松子の転落人生が坂を転がり落ちるがごとく、始まっていく。
愛を求める松子の前にはさまざまな男が現れるが、彼女の選択はことごとく不幸へと繋がってしまうのだった。
53歳、河川敷で死体となって発見された彼女の生涯を探る甥が見たものは?
山田宗樹の人気小説を映画化した話題作。
夢を抱いて就いた教師の職をクビになり、どうみてもダメダメな文学青年にお金を貢ぐ日々。
やがてソープ嬢となり、挙げ句の果てにヒモを殺害。
刑務所に入ることに。
そんな壮絶すぎる女・松子の人生は、不幸なはずなのに、なぜか彼女を応援したくなってくる。
男たちに利用され、搾取され、捨てられる松子。
でも彼女は誰を責める訳でもない。
不器用で一生懸命な松子を、「松子を演じるために女優を続けてきたのかもしれない」と話す中谷美紀が熱演し、これまでにない顔を見せる。
そして「下妻物語」の中島監督がCGやミュージカル・シーンを挿入するなど、原作小説に敬意を払いながらも挑戦的な演出で、愛すべき松子の一生を作り上げた。
・・・あとはTVかDVDでご鑑賞ください。